2016年10月31日

植物はなぜ動かないのか



稲垣栄洋:著
ちくまブルーマリー新書252
820円+税

今回の“自然観つらつら”で、光合成についてお伝えしました。その中の内容のいくつかの出所が本書です。

光合成については以前からいろいろと考えるところがありまして、最近ではそれに関係する資料を、あちこちで探し集めているのですが、本書はそうした中で出会ったもののひとつです。

さきごろ、光合成で生き抜こうとした不食のスイス人女性が亡くなられたという記事を読みました。*1 その女性のチャレンジャーなお気持ちや態度は尊びます。しかし時期が少々はやすぎたようです。

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posted by K at 04:24| 04自然科学

2016年10月03日

断薬セラピー



宇多川久美子:緒
WAVE出版:発行

以前から研修会などで「降圧剤は無理に血圧を下げるので、脳貧血を起こしやすく、その結果認知症を早める可能性が高いのでは?」と――度々お話してきたことはご記憶であろうとおもいます。

また、高齢者は第二の心臓と呼ばれる筋肉の収縮運動が若いころに比較して減少しているので、血圧が高いのは当然・自然である――こともお伝えしてきました。

まあそうは言うものの、一介の姿勢研究家の談ですから、こうした説明をお聞きの皆さん方は、それほど重く受け取られていなかったのではないかと思います。

それでもしつこく云い続けてまいりましたのは、一般的な人体生理学を一通り学んだ者であり、自分自身で考えること――の重要性を忘れていない者であれば、ちょっと推論しただけでも、降圧剤≒認知症の相関性といったカラクリを簡単に気づけるわけです。ですから自分自身の確信の上で、ああしたことをお伝えしてきたのです。

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posted by K at 02:49| 04自然科学

2016年10月02日

不安の力 不確かさに立ち向かうこころ



坂野登:著
頸草書房
価格:本体2,700円+税


 ご承知のとおり、わたしは心理学の専門家でも研究者でもありませんが、なぜか坂野登という教育神経心理学の大家が書かれたが『かくれた左利きと右脳』1982青木書店という本の第二版を愛読していた男でして、この本が大きなヒントの一つとなって、今にわたしの活動につながっています。

 また、こうしたことが縁となり、今から十数年ほど前に、関西のスポーツ会社のお世話で先生と対談させていただいたわけですが、それ以後、わたしのライフワークである姿勢研究の手に負えない部分を、分もわきまえずに、度々先生にお願いしてきたというわけです。

 こうして常々お世話になってきた坂野登先生から、昨年末あたりに、先生の新著「『不安の力』不確かさに立ち向かうこころ」をお送りいただきました。

門外漢ながら、折しも、これまでの自己の経緯や経験をもとに、こころに関する本の執筆を始めていましたので、ワクワクとして拝読させていただきました。

 ただし日本の心理学界の頂点辺りでお仕事をされている坂野先生の頭の中身と、わたしごときの頭の中身とでは雲泥の差があることから、本書の中に立ちはだかる高い壁になんども進路を阻まれながらの、なんとかの通読となりました。

 ですが読後は、意外にとてもさわやかな気分に包まれました。というのも、わたしの雑多な頭で先生が伝えんとしていることを解釈してみると、「不安」という感情は「不安ではない」という安定した心持ちと相補相関的な関係にあり、生きていく活力の源泉ともなっている―ということになったからです。

 本書の副題が示しているとおり、「不安」という一見ネガティブな感情は、変化し続ける不確かなこの世界に進化適応していくため不可欠な感情である―ということになるようです。

 先生に叱られるかもしれませんが、わたしは本書の主旨をこのように捉えました。

 そして、精度や表現方法においては雲泥の差があるものの、すでに印刷にまわっている自著の方
向性と先生の主旨との間に溝が観えなかったことも大きな喜びでした。

 坂野先生はわたしとは違い、やはり学者らしく、古今東西の「不安」に関する研究を前もってしっかりと紹介され、その上で、後半(第9章)にそれらの論を踏まえつつ、ご自分の研究の成果を披露されています。

 姿勢や姿斉(姿勢を斉える技法)を伝える人間にとって、身体の理解はもちろんのこと、心思の理解も欠かせません。

 わたしのような情緒的な文章も、我ながら悪くはないと思いますが、若いころから世界をまたにかけ、最先端の研究を続けてこられた坂野先生の著書に内包される精度の高い資料や文章や解析の成果を、手元に引き寄せることのできるありがたさに気づいていただきたいと願います。

 どうぞご一読ください。

posted by K at 02:54| 01哲学